■舞台芸術 | 演劇、人形劇
ドキュメンタリーやフィールドワークの手法で作品を発表し続ける村川拓也による、過ぎ去った時間を現在に立ち上がらせる名作を、主人公「不在」で異例の上演。見えない人やモノの存在を観客と共に想起する「演劇」を試みる。
村川との対話とピアノの発表会の形式をとった本作の主人公は、ベートーヴェンの「月光」に惹かれてピアノを始めた、70代の男性・中島昭夫。これまで2018年の初演、20年の再演時に舞台上にいた彼は、今回の札幌上演を前にした21年秋、この世を去った。
舞台にはさまざまな世代のピアノ演奏者たちが登場、彼の記憶を彩る曲が演奏される。音楽との出会い、20歳から続いた目の病とのつきあいなど、村川の質問に導かれ、中島自身によって語られる記憶の断片とそこから浮かび上がる人生。
そして、最後の一曲「月光」が奏でられる時、私たちが耳を澄まし、目を凝らした先に見えるものとはー。
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演出家より
この作品の主人公である中島昭夫さんが、昨年11月に亡くなりました。77歳でした。彼は今回の札幌公演を楽しみにしていました。大学を卒業したあと新聞社に就職し、初任地が札幌で、次の勤務地が苫小牧だったということもあり北海道には特別な思いがあったようです。札幌オリンピックを取材したときの話など、そのころの話を私にたくさんしてくれました。
『ムーンライト』は、2018年に京都で、2020年に東京で上演しました。彼が亡くなったのは、今回の札幌公演に向けていろいろと準備を進めている最中の事でした。公演を中止するべきかなと思いました。でも私には、まだ中島さんがどこかにいる気がしてなりません。だから、彼はいないけれど、公演をやろうと決めました。舞台上に彼は現れないけれど、いない中島さんと一緒にこの作品の再演を試みたいと思っています。 村川拓也
関連イベント
●中高生のための『ムーンライト』レクチャー
講師:林 立騎 (本作ドラマトゥルク)
日時:2022年5/28(土)・29(日)
入場料: 無料
※当日のチケットをお持ちの方は年齢に関わらずご入場いただけます
※詳細は追ってこちらのページでお知らせします
●第1回 hitaru劇評入門~舞台公演を言葉に残す~
初心者から経験者まで幅広い方を対象に「ムーンライト」の魅力を探るとともに、劇評の執筆を通して鑑賞体験をより深める方法をレクチャーします。
講師:佐々木 敦 (思想家・作家・音楽レーベルHEADZ主宰)
日時:2022年5/30(月)
受講料:有料
詳細はこちら→https://www.sapporo-community-plaza.jp/event.php?num=2296
日程 |
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開催場所 | 札幌文化芸術劇場 hitaru |
開催場所 補足説明 |
クリエイティブスタジオ |
住所 | 札幌市中央区北1条西1丁目札幌市民交流プラザ |
主催者名 | 札幌文化芸術劇場 hitaru(札幌市芸術文化財団) |
公式HP | |
料金 |
備考 料金(全席指定) |
お問い合わせ |
担当者名 : 札幌市民交流プラザ劇場事業課 電話番号 : 011-271-1950 |
差出人:大通り情報ステーション mail@sapporo-info.com
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